妹と夏。

ズンズンズンズン歩きながら、涼花は俺の手をひっぱる。






周りからみると犬の散歩のようだ。










「ね…ねぇ…そういえばお兄ちゃんってさ…」










「ん?」









涼花は少し歩くペースが遅くなった。











「その…か…彼女とかって…いるの?」











「え?」









「や!別にちょっと気になるだけだよ!その、お兄ちゃんかっこいいし、いるのかなぁ〜なんて…、あ!!やっぱ嘘!かっこいいとか今のナシ!!!」










なんじゃそりゃ。










「いないよ。俺男子校だし。出会いがまずないんだよ…。」











「そ…そっかぁ…よかった。」











おい。よかったってどういう意味だよ。











「涼花はいるの?彼氏。」










「え?い、いないよ!だいたい私、お外そんなに出ないし…」










「あ、そっか。それはごめん。」










ぽんぽんっと優しく妹の頭を撫でる。






ほんのり顔が赤く見えるのはきっと夕焼けのせいだろう。