私がちらっと横目で様子をうかがうと、 タクトと目があった。 「ほんとだよ」 タクトは突然、 私の手をとってきゅっと握る。 「なっ……!」 そして私の手に、そっとキスする。 ……あ、唇、触れた。 「ちょっと、何っ!」 私はぱっと彼の手を振り払う。 タクトは余裕のある笑みを浮かべた。 「瑞希を待ってるのは、本当だよ」