最初のキスは、 あの夜真っ白な部屋でした。 魔法がかけられたのかどうかは分からないけれど、 拓斗が無事なら、それでいい。 私はわざと強気な口調で言う。 「それに、そんなの関係ないよ」 「え?」 驚いているタクトの顔を引き寄せ、 もう一度キスする。 今度は、自分から。 ……正直かなり恥ずかしかったけれど、 驚いている拓斗を見ると おかしくて、少し笑ってしまった。 相変わらず、自分からするのは平気そうなのに、 不意打ちに弱い。