拓斗の両親に、一度病院で会った。 二人ともとても優しそうな人で、 なんとなく拓斗は甘やかされてるんだろうなと分かり、 にやにやしてしまった。 仲の良い友達だというと、 二人はものすごく喜んでいた。 病院を出て、 銀杏の木が並んでいる並木道を歩く。 レンガ色のブロックで舗装された道をたどりながら、 落ちて来た黄色い葉っぱを横目で眺める。 もう秋だなぁ、ほんとに。 私は隣を歩く拓斗をちらっと見やる。 「学校にも、もうちょっとしたら来るんだよね?」