「かっこ悪いから、やだったんだよ。 しばらくは一人でトイレにも行けねーし」 「いいじゃん、私が付き合ってあげるよ」 拓斗の顔が険悪に歪む。 「うわ、すげーいらねー、そういう気遣い」 拓斗は荷物をまとめ、 足を進めた。 今日はそのまま家に帰るらしい。 「迎えの車は?」 拓斗はにっこり微笑んだ。 「断った。 すげー心配してたけど、家すぐそこだし」 それから照れくさそうに付け足す。 「瑞希が来るの、うちの親も知ってるから」 「そっか」