拓斗の大きな声に、私は人差し指をたてる。 「ちょっと、声押さえて! 看護師さんに気づかれちゃうから!」 どきどきしながら、 部屋の隙間から廊下を観察する。 今はライトが緑色に灯り、 しんと静まって何の音も聞こえない。 廊下をたどると ナースステーションがあって、 そこからは眩しい蛍光灯の光が漏れていた。