「ううん、嘘だよ」 「どうして?」 志乃の瞳は病院の方を見つめていた。 私もつられて病院を見る。 「だって、入院してるのは本当なんでしょ? うちの教師も言ってたし、 心臓の病気なのは本当なんだ。 そんな苦しくて、リスクもある状態で、 瑞希だったら嫌いな人間に毎日会いに行く?」 「それは……」 私が悩んでいると、 志乃の指が 頬をむにっと引っ張った。 「うわ!?」