私は彼に言われたことを、 志乃にも伝える。 「私のこと、うざかったって。 もう、顔も見たくないって」 言葉にすると、 胸がずきりと痛んだ。 「んーーーー」 聞いている志乃は、やっぱり納得しない表情で 腕を組んでいる。 それから志乃は、ぽつりと言葉を落とした。 「それも嘘だね、きっと」 「そんなことないよ!」 むきになって反論すると、 志乃は自信ありげに首を振った。