志乃の言葉を聞いていると、 確かに不自然な気がしてきた。 昨日は拓斗に会えて嬉しくて、 言われた言葉の落差に苦しんで、 あまり深く考えなかったけれど。 そう思うと今度は別の疑問が浮かんで、 自分のつま先をじっと見つめた。 「でも病気の話が嘘だったとしたら、 よっぽど私と会いたくないってことだよね?」 志乃は怪訝そうな顔をしている。 「そう、言われたの?」