「んーーーーーーー」 それから腕組みして、 しばらく考えた後。 「嘘だね」 きっぱりと、言い切る。 「でも……」 志乃は怖い顔で私を睨んだ。 「ありえないって! 余命三ヶ月で重体の人間が、 そんな気軽に病院抜け出せないって。 山に天体観測に行ったりしたんでしょ?」 「うん、そうだけど」 志乃は首がとれるんじゃないか心配になるくらい、 ぶんぶん首を振って否定する。 「無理、無理っ! それ、絶対嘘だよ!」