「俺はもう、助からないんだ」 思わず泣きそうになって、 首を横に振る。 信じない。 信じたくない。 「でもっ……!」 「瑞希の言う通りだよ」 拓斗は笑っているけれど、その言葉は 何だかすごく冷たい響きだった。 「この病院から瑞希が見えた」 拓斗の顔から、 笑顔が消える。 「ずるいなって思った」