「よく分かったね」 あれだけ迷っていた日々が、 まるで嘘だったみたいに。 驚くくらいにあっさりと、 拓斗を見つけることが出来た。 私は個室にある椅子に鞄を置き、 拓斗の前に立つ。 部屋の中からは 病院独特の消毒液みたいな匂いがして、 それが私をなおさら不安にさせた。