周囲の人間全部が敵に思えて、 誰も信用出来ない。 足は震えて、 動くのをやめる。 私は進む方向を変え、 高い空を目指す。 そうしていつも、 結局屋上に逃げることしか出来なかった。 目蓋をこすり、 下に俯いた。 「どうして私、こんなに弱いんだろう」 タクトはその声に、 はっきりと答えてくれた。 「弱くないよ」