「ちょっ、瑞希さん?」 タクトもさすがに驚いたらしい。 背中がぴん、とまっすぐに伸びる。 「くっついてると、あったかい気がする」 「いやいや、やばいって」 はっきり言って、かなり恥ずかしい。 けど、後ろからなら顔が見えないから、 まだちょっと平気。 ……かもしれない。 「瑞希、離れて」 タクトの声が、少し真剣になる。 「……寒いから、やだ」