「だろ? まぁ、今俺が考えた嘘なんだけどさ」 「嘘かよっ!」 私は大声で突っ込む。 タクトはケラケラ笑っている。 「ありがちな話だから、 何かの神話と被ってるかもしんないけどね。 ちょっと織姫と彦星っぽさもあるよな」 私は頬を膨らせてむっと怒る。 「感動して損した!」 「ま、それはともかく、 一番はみんな知ってるけど、 二番になると途端に人の記憶に残らなくなったりするよな」 「記憶に残る……ねぇ」