タクトは手を上にあげ、 ぐっと背伸びした。 「でもなりたかったなぁ、宇宙飛行士」 そしてそのままパタン、と床に倒れた。 「宇宙から見たら、 俺らの悩みなんて すげーちっぽけだと思わん?」 私はタクトを見下ろし、 小さな声で呟いた。 「……そうかもね」 「死ぬ前に、宇宙から地球見たかったなー。 やっぱり地球は青かったって思うんかなー」 私は空を見上げながら、 目蓋を閉じた。 「……どうだろ。 壮大すぎて、よく分かんないな」