「ケーキが好きだっただけだけどね」 「すげー子供らしい」 そう言われ、くすっと笑ってしまう。 たしかに子供っぽい。 あの頃は、ケーキ屋さんならケーキがたくさん 食べれると思ってたんだ。 「あと花屋さんとか、 漫画家とか。 そういうのもなりたかった気がする」 「女の子らしいな。 花屋って、実際は重労働だけどな」 つられて軽く笑う。 「朝早いしね。 あんまり深く考えてなかったんだよね」 私は彼に質問してみた。 「タクトは? なりたいものとか何だった?」