「なりたいもの……」 しばらく考えて、苦笑する。 「思いつかないな。 もう死ぬつもりだったんだもん」 なりたいものも、将来も。 そんなのどうでもよくって、 考える気もなかった。 パタパタと靴を鳴らして悩んでいると、 タクトが質問を重ねた。 「じゃあ、昔は?」 「昔?」