――タクトに会いたいから。 弾けるようなタクトの笑顔を思い出す。 それから、そっと私に触れる優しい手のひら。 泣いた時、ぎゅっと抱きしめてくれた。 その時に香った、 ふわりとしたシトラスの香り。 口からこぼれる言葉はほとんど嘘だけど、 タクトといると、私は笑顔になれる。