「どうしたの?」 タクトはしばらく怖い顔で 階段を見ていた。 「何?」 一緒に階段を見てみるけど、 特に変わった所はない。 「……や。 誰かいたような気がしたけど。 気のせいか」 「いないでしょ、多分」 私は廊下に声が響かないよう、 小さな声で返事をする。