逃げた時は二、三分だったのに、 帰って来るのには二十分くらいかかった。 きっ、と重い扉を開く。 眩しい光が暗い階段に射し込んでくる。 太陽が、あたたかくて気持ちいい。 「遅かったじゃん、今日は」 タクトはやっぱり今日も、いた。