色が抜かれて茶色く透ける、長い髪。 伸びた爪に毛先を巻きつけながら、 梓はじっとりと私を見つめる。 「なんかさー、瑞希がいないとつまんないし」 クスクス、と耳元で笑い声が聞こえる。 気持ち悪い。 ――吐き気がする。