「私は誰だか、自分でも解らなかった。」

「解ろうともしなかった。あの瞬間までね、…。」

“あの瞬間まで”??
どういう事だ?君は、…。

「私は誰かの分身。すでに、自分でそういい聞かせてたけどね、…君が、私を助けてくれた。」

“私は誰かの分身”??
あの日のあの子はそういった。君は、あの子だよね

「夏の日に会った、美桜みたいな子が、…お前?」

「“美桜みたいな子”かぁ。そうだよね。」

あっ…。
確か、この子は、それがきっかけで、壊れそうだった子。


「いい、今のはいい間違えだ。本当には、思ってない。」



「いい。皆が、私に言ってきた事だから。」