電車を降りて
改札口に向かった。

まだ頭の中が
ぼんやりとしていて
はっきりとしない。


大きな鞄が肩に食い込み
更に重く感じる。

蓮音は階段を降りて
改札口を見ると
小さく手をあげる
千尋の姿が見えた。

隣には千尋の彼の涼がいる。

(あの二人は
いつも幸せそうで
本当にお似合いだな…。)

千尋達を見ると
自然と心が温かくなり
嬉しい気持ちになる。


が…

涼の横で
やけにハイテンション気味の
元気な人が


「蓮音ちゃ〜ん!

お帰りなさぁい!!!」

構内に響くほどの
大きな声で向かって叫んでる?


(え???私に叫んでる?)

幼稚園実習で関わった
ちょっぴり
いたずらな男の子の園児のように
はしゃいだ様子で
大きく手をふっていた。


(え?誰?
外国人みたぃ???)

思わずつられて
蓮音は手をあげる。


透き通るような肌と
真っ白な歯を見せながら
眩しいほどの笑顔で
その人はそこにいた。