魔法の使えない魔女




「そういえば…」



次に口を開いたのはセト。



「さっきの石…ありゃマナが探してる誕生石の1つじゃないか…。」


「え?そうニャのか?」



キョトンとした顔でルビーはこちらを向く。



「なんだ、知らなかったのか?じゃあなんで石をくれようとしたんだよ」


「それは…。」



しばらく考えた後、



「…神様のお告げなのニャ。」



と、ルビーは言った。



「神様の声が聞こえるの?」



次はマナが言う。



「多分…。神様的な声をしてたのニャ。」


「じゃあ相手は良くわからないってことか…。」


「はいですニャ。」


「はあ、」とため息をついたあと、セトは腕組みをして言った。


「………まあいい、俺達ちょうど旅に出ることを決めたところだったんだ」


「ほんとニャ?!」


「あたしたちは別の目的だけどね?」


「コイツの魔力を戻すんだ。」



あたしは少し申し訳なさそうな顔をする。



「ニャンと!」


「そのためにその誕生石が必要なの、力を貸してくれる?」



ルビーはスクッと立ち上がり、



「もちろんなのニャ。あたいの願いも聞いてくれるんだろう?」



やる気に満ち溢れた顔をした。

が…。


「まあ…旅の途中で巡りあったらな。」



セトが言った途端、ルビーは急に「なーんだ」と残念そうな顔をして座り込んでしまった。

ルビーは耳を下げて落ち込んでいる様子だった。



「ちゃんと探してあげるから」



マナがそういうと、ルビーはマナをみてにっこりした。



「さあて、出発は明日だ!マナ、今日は早く寝とけよ!んじゃな!」


「……うん。」


そう言うとセト外を出ていった。



「…ルビーは…どうするの?」


マナの言葉にしばらく「うーん」と考えた後、

「あたいは外で寝るニャ」


そう言った後、「ふぁーあ」とあくびをして元の黒猫に姿を戻し、ピョンっと、窓に飛び乗った。

そしてまた、わずかに開いた隙間から外へ出ようとしていたので、


「それならあたしの家使っていいよ?」


と、ルビーを抱えあげ窓を閉めた。


「どうせ家には誰も帰ってこないし…猫の一匹や二匹入ったって大丈夫だよ?」


「あたいは魔女だけどニャ…。じゃあ誰か入ってくるかもニャし、こっちの方が落ち着くからこっちの姿でいるニャ。」


そういって猫の姿のままベッドに横になるとすやすや眠ってしまった。