「……これが、本当のあたいの姿ですニャ。そして…石…。」



ルビーは手を差し伸べる。

手に巻き付けられた鎖。
その中央にルビーの瞳の色と同じ色の宝石が姿を表した。


そしてあたしは、人目でその宝石がルビーと言うことがわかった。



「どうしてこれを…?」


「母上の形見なのニャ。あたい…毎日神様にお祈りしていたのニャ。そしたらある日…森の中で眠っていたら頭の中に声が聞こえて…。映像も流れて…。あニャたに会えば敵打ちができると…。」


「へぇー。でも何でコイツ…?」



セトが剣を磨きながら言う。



「わからにゃい…。」



「なあルビー、お前の母親を殺したってやつ…もう一度特徴を言ってくれないか?」





リクはなにかを考えているようで視線を下に向けている。



「はい、リク様!ええっと、黒く長い髪を持つ女…ですニャ?」


「もっと詳しく」


なぜだろう…リク兄…少し変…。


「うーん…細くて…大きくて…あ、でも左目が青色をしてたニャ…。冷酷な目……。目が合って………怖くて怖くて……………あたい………あたい…。」


ルビーがその時の情景を思い出してしまったのか手足が震え始めぺたんとその場に座り込んでしまった。
顔が真っ青で怯えている。


「ごめん、ルビーもう大丈夫だ…。」


…珍しいな…、
リクが人に無理させるなんて……。


リクはしばらくしてルビーの頭をなでてから「悪い…」と言って部屋を出ていってしまった。



「珍しいな…」


セトも同じことを考えていたようだ。



「ルビーちゃん…怖かったね…」



「………」


ルビーはコクっと頷くだけだった。

でも…



「呼び捨てでいいから」


「え?」


「ルビーちゃんて…子供じゃないから」


あたしは少し驚いたが、すぐにニコリと微笑み返した。


「…わかった」



マナはルビーの手を握ってあげた。