セトとマナは顔を見合わせる。
「ありゃ、リク兄に一目惚れだなー…。」
セトが呟いたとき、ルビーと名乗る猫はマナの方に歩いてきた。
「それと…、おミャーに会いに来たのニャ。」
「…あたし…?」
リクとは正反対の態度にセトがイライラしているのがわかる。
「そうニャ。」
言うなりルビーはその場に低姿勢になり、膝まずくような格好になった。
「どうか、あたいと旅をして…敵を打ってくださいニャァ。」
…カタキ…?
ルビーはそのままの姿勢で続けた。
「先日…あたいの家族が亡くなりましたのニャ。」
ルビーは目を伏せる。
「…原因は窒息死。…殺されたのニャ。あの…黒く長い髪を持つ女に。」
ルビーは下を向く。
「うーん…黒く…長い髪を持つ女…か。」
セトも腕を組み考え始めた。
「それからと言うもの…あたいはこの石と共におミャーを探していた…。」
言うなりルビーは黒猫の姿から10才くらいの幼女に姿を変えた。
黒の膝下まで伸びた長いローブに肩まで伸びたピンクのふわふわした髪、その頭からは真っ黒の猫耳が生えている。ローブからは尻尾が生えており、名前の通りルビーのように紅く綺麗な瞳。胸にぶら下がった赤い色のペンダントが窓から差し込むペンダントに反射してキラキラとしていた。
腰のところできゅっと結んだ黒のリボンが幼さを物語っている。
一瞬…あたしたちはその子が誰かわからなかった…。
なぜならあまりに女の子らしかったから。
