「はあ。」
一段落つき、あたしはため息をした。
少しの沈黙が流れる。
もう4時だと言うのに夏の太陽はなかなか沈まない。
鳥の鳴き声も聞こえはじめる。
「あのさ」
二人の間の沈黙を破ったのはあたしの方。
「この旅…どのくらい続くのかな…。」
あたしがさっきから気になっている質問をセトにする。
セトは「うーん」と少し考えたあと
「わっかんねっ!」
と部屋に大の字に寝転がった。
「もう!人が真面目に質問して…」
飽きれてあたしがため息をついたときだった。
「でもよ、、どんなに時間がかかってもお前は魔法の力を取り戻すために旅を続けるんだろ?」
セトはなにがいいたいの、、?
ゆっくりとうなずいて見せる。
「だったら時間なんて関係ないだろ?」
「…え?」
「どれだけ時間がかかっても、お前は魔法の力を取り戻す旅を続ける。そして俺はそれについていく。…それじゃだめなのか?お前は真っ直ぐ自分のことだけ見てろ。」
セトは天井を見ながらそれでもしっかりと言った。
「うん。セト、ありが…」
珍しく良いことを言ったセトにお礼を言おうとした…そのとき…。
「シッ!」
口に手をあて片手には鞘に納められた剣に手を握り、即行戦闘体制に入るセト。
「…なにかいるの…?」
あたしはセトに守られながら目だけキョロキョロと動かした。
家には一頻りの静寂の時間が訪れるのだった。
