魔法の使えない魔女



ーーーーーマナsideーーーーー


目が覚めるとそこは見知らぬソファの上だった。


「ん……うぅ……」


頭が痛い……。

体をゆっくり起こすとタオルが額から滑り落ちた。


目の前にいる老婆の姿が目に入る。



「目が覚めたかい?」


その老婆は険しい表情でこちらを見る。



「あ……なた……は?」


「私はリクの祖母、マーベル。マナ、調子はどうだい?」


「あたしの名前……」


マナは少し驚いてから周りを見渡した。


「ルビー……。」


ちょうどその時ルビーが濡れタオルを持ってきてくれているところだった。

マナは自分の手元にあるタオルを見やると


「ありがとう」


と微笑んだ。






「あの……」