―――――リクside――――
ルビーに開けてもらったトビラをくぐると長い螺旋階段だったがリクの運動神経なら難なく上まで登ることができた。
「これか……」
さっきまでとは違う雰囲気のトビラに緊張感が走る
そして……………………
カランカラン……
扉をくぐると焼け焦げた部屋があった。
「ばーさん!」
部屋のソファに大きな毛布の塊がある
リクは手を伸ばそうとして一度ためらった
ばーさんがこんなんで死ぬはずない……。
「……なんじゃ、騒々しい……。」
立ち止まった時奥から真っ白の髪のふっくらした老婆が出てきた。
「なんだ……生きてんじゃねーか」
「失礼なやつじゃな、わしはまだ死なないぞ。しがみついてでも生きてやるわ」
「……はは……、だよな……」
安心したのか呆れたのかわからない、と言った顔で焼け跡をもう一度見る。
「……襲撃に来たのは昨日の午前一時半ごろじゃ。」
リクの気持ちを察してか老婆はそこにあった焼けてない唯一の椅子に腰を掛け、ゆっくりと話始めた
「その時わしはなんとなく寝付けず読み物をしておった。するとな、なんの前触れもなく水晶が光ったのじゃ。わしが手入れしておるあの虹色の水晶じゃよ?」
老婆がよぼよぼの手で指さす方向に布をかぶった水晶がある。
「慌てて水晶を見てみると難なくからくりをくぐり抜けて行く怪しい輩の姿が水晶にうつったのじゃ。わしは珍しく水晶に自分の魔力をうつし自分の身を隠した。」
リクは布をかぶった水晶を1度見て、
立ち上がるとそのまま水晶をめくった。
「...これは...!」
目を見開くリク。
なぜならそこには大きくヒビの入った水晶があったからだ。
「水晶は...壊された。」
「なぜやつらは盗まなかったんだ...?」
「...あいつらには水晶などいじれん。あれはわしの魔力のみに従う。」
そう言ってばあさんも立ち上がり水晶のヒビに手を触れた。
「...!」
その瞬間老婆の目の色が変わったのをリクは見逃さなかった。
「どうした?」
「リク...お主、連れがいるのか?」
「あ、ああ。」
ああー、、となんとも苦い表情でため息をつく老婆にリクは怪訝な顔をした。
「...もう時期来るぞここに。...しかし...ここのからくりの魔力で力奪われ気を失っておる輩がいる。」
「なっ...」
「お主そんな強いやつを連れてきたのか?あのからくりは強いやつの意識を吹っ飛ばす。最も、弱いやつはあの部屋までたどり着けないがな。」
リクは考えた。
強いやつ...?たしかにセトは強いけどアイツは魔力っつーより...武術だし...
ルビーは変身は出来るけど戦ったのを見たことがない...。
あるとすれば...ルビーか...?
「お、来たみたいじゃ...」
老婆の言葉通り転送装置らしきところから現れる2人の人影と猫の姿があった。
