「生きてるか?」



セトの背後から現れたのは身長175㌢くらいのスラッとした男。
黒い細身のパンツに黒のジャケット。長く伸びた手足。さらさらとした黒髪とツンとした目尻にゴールドのリングピアスが輝いていて、クールなオーラを身にまとっている。



「リク兄!」



あたしのもう一人の幼馴染み、リク兄だ。
リク兄はあたしとセトの二つ上で、クールなオーラとは裏腹にいつも可愛がってくれている。


「聞いてよ!セトったらね!?………」



あたしはリクにかけよりセトのことを言いつけた。


「まあまあ」とリクはなだめる。



「腹へってんだろ?マナのことだから」



「あー!リク兄まで!」

ぷくっと顔を膨らませる。



「ちゃんと昼買ってきたから」



そう言って手に下げたビニール袋にはコンビニで買ったと思われるカップラーメンとつまみが入っていた。



「ふぉーう!リク兄やるね~♪」


セトはリクの手に下げていたビニール袋を取り、マナの部屋に走っていく。



「つまみつまみ~♪」


「ああ!もうセト!」



同い年と思えないほどやんちゃなセトに呆れながら自分も追いかける。

やれやれ、とリクは後ろからゆっくりついてきていた。