魔法の使えない魔女




―――――リクside――――



ルビー…大丈夫かよ…。

っていうかだから来るなってあれほど…



「リク様…?道…開けました?」


「!?」



ルビーの落ちた穴にライトを向けてびっくり。

なんと人間の姿で顔を出してるではないか。



「いやあ、思ったより深くてビックリしましたニャー。」


「……ルビー…」


「ニャ?」


「全く…仕方のないやつだな…」



呆れ声で言うリクにルビーは申し訳なさそうにへへへ…と笑った。



「出られるか?」


「はい、…でもあたい、この先になにかを感じるのですにゃ。」


「魔力か?」


「んー…そうじゃにゃいにゃ。

…動物の勘て言うのか…

誰かが呼んでるのにゃ。」



こんなところに誰だろう?



まさか敵…?


しかし敵なら呼んでは来ないはず…



そんな思いが巡り巡っているうちに

ルビーがリクを呼んだ。



「リク様、あたいを信じてくださいにゃ♪」



ハッ…。



そうだ…信じること…信じなければ…



リクは小さい頃母に言われたことを思い出していた。


『他人を信じること。それはとても難しいことよ、だけど…それができるようになればあなたは…もう立派な魔法使い』


なぜ、あんなことを言ったのかその時はわからなかったものがなんとなくわかってきたかもしれない。

強いだけが魔法使いじゃないってことだ。



「気を付けろよ」



一言言い残してリクは扉に手をかけた




「わっかりましたにゃー!」



元気のいい返事が聞こえたあと、俺は入り口をあけた。