ぴゅーんっ、


音がして周りを見ると

先程の風景はなく、
鉄で出来た壁だった。

それからまもなくしてセトが戻ってきた。



「映像の機器ぶっ壊してきた」



いたずらっ子みたいな笑顔を見せるセト。

もう…。


「…にしても参ったな…」

頭をかくセト。


「なにが?」


「…俺らすげー時間ロスだ」


「え?」


「いや、リク達先入ってるからもしかしたらもうたどり着いてるかもしんねーじゃん?あいつはなんたって忍び込むプロなんだから」


「う、うん…」


あれ?時間制限とかあるんだっけ?


「お前、わかってねーだろ?」


「えへへ…」


はい、わかっていません笑


「だからー、俺らが遅く入ったのにリク達より早く目的地に行けたらすげーじゃん!なんかスカーってしそう!」


「クスクス…ようするに…負けたくないのね?」

「なっ…別にそうゆうわけじゃねーけど…」


セトは変なとこですごく負けず嫌いだったりする。

まあ、あたしもなんだけど。


「とにかく、早く行ってアイツらをびびらせようぜ!」


「はいはい」


あたし達は歩きだした。

冷たい冷たい鉄の上を…。