―――――リクside――――




その頃リクは、真っ暗闇の中ただ一人歩いていた。


ポッケに入っているペンライトを手に持ち、狭い通路をひたすらあるく。


「チッ…くそ…行き止まりか…」


さっきからぐるぐると同じ道を回ってる気しかしていないリクは突然立ち止まった。


後ろに微かだが気配を感じる。
リクは全神経を集中させた。


その時…



「…リク様…」


今にも消え入りそうな小さな声が背後から聞こえたのだ。


リクが振り向く。


ペンライトをかざすと、猫の姿のルビーがリクを見上げていた。



「ルビー、何で来たんだよ…」


「あたいはリク様と一緒に参りますニャ。これはもしかしたらあたいの問題でもあるかもしれニャいから。」




ルビーは小声だが、その表情からは決意の色が伺えた。


「なんでもいいけど…怪我だけはしないでくれ、」


リクはまた前を向いて.歩きだした。

しかし…


「なあルビー…これ…ちゃんと前に進んでるのかな…?」


さっきから考えていた質問をルビーにぶつけてみる。


「あたいも同じこと思ってましたニャ。」


ルビーはテクテクリクの後ろを歩きながら言う。


「なにか確かめるものがあれば…」




そう周りを見回したとき、気になるものが目に入った。


「なんだこれ…?」


天井に隙間が開いていて、そこに1本糸が張っているのだ。


「ルビー、見に行ってくれないか…?」


リクはこのままでは進めないと思い、そう言ったのだがこれがまさか仇になるなんて…。

ルビーはリクの肩からピョンと跳び跳ねると天井に上がった。

ペンライトが照すなか、ルビーが目的の場に到達するのは困難ではなかった。

リクが、次の指示を出そうとしたその時、



「ニャゥっ…」


ルビーが足を滑らせたのだ。


「ルビー!!!」


リクが名前を呼んだが返事はない。

気絶しているのか…?


リクは頭を抱えた。

「くそっ…」



ゴゴゴゴ…



そんな音がしてペンライトを前に向けた。

…そこには扉があった。