正面に行くと何やら警察達が話をしていた。
上司と部下で言い合いをしているようだ。



「…中が不思議なんですよ!」


「なに言ってるんだ。人の命がかかっているんだぞ?」


「わかってますが…入れないんです。」


「不思議とか入れないとか…お前はそれでも警察か!」


「すいません、…ですが…」


「ああー!もういい。お前には頼まん。帰れ。」


「えっ…あ…すっすいませんでした!」




若い警察官は走り去っていく。

きつい言葉を発した上官はなに食わぬ顔でタバコを吸っていた。


「かわいそうだよな…人間て…。」

「え…?」



セトはなーんちゃって♪とおちゃらけてまた歩き出した。


…セト…。


するとどこへ行くのやらセトは家の入り口付近までずんずん進んでいく。

そして…。


「さっきの話、詳しく聞かせてくんねーか?」

先程の警官に話しかけるセト。


「ああ…、聞いていたのか…」


ばつが悪そうに上司の方の警官はタバコを落とし、グリグリと踏みつけた。



「なんか…入れないらしいんだよ、この家。あ、いや…別に鍵がかかってるとかそうゆうんじゃなくて…、、進んでも進んでも入り口に戻ってきてしまうらしい…。」


「入り口に…戻る…?」


あたしたちは二人して入り口を見た。


なんのへんてつもない普通の扉…。

この奥になにがあるのかマナは気になった。


「入ってもいいですか?」


マナはためらうことなくきく。


「ああ、構わん。ウチの警官たちは頼りにならんでな…。」


そうゆうと行ってしまった。



「マナ…」


セトは入り口を見つめている。


「行こう。」


そうセトに切り出され、マナは大きくうなずいて中に入るのだった。