あたしはハッと目を覚ました。
カーテンを開けて外をみる。
「はあ…」
溜め息を付いた後、外を見ながら夢を思い出していた。
助けを呼んでいたのは誰…?
自分が寝ていたところをみると、歴史書が開きっぱなしになっていた。
読んでいるうちに眠ってしまっていたようだ。
チッ…チッ…チッ…
時計は午前3時を示している。
隣を見るとまだぐっすりと眠っているルビーの姿があった。
そして静かにカーテンを閉めようとしたその時、スラッとした人影が見えた。
あたしは靴をサッと履いて外に出た。
「リク兄…。」
あたしが呟くと少しこちらを見てからまたふいっと顔をそらした。
「眠れないのか…?」
マナを見ずに言う。
「まあ…そんなとこ…。」
「………。」
再び沈黙が訪れる。
マナはリクが座ってる切り株の隣の切り株に座る。
「………こんな時間に何して………」
こんな時間に何してるの?と言う質問を描き消してリクが口を開いた。
「さっきは悪かったな…。」
「え…?」
さっき、というのは急に席を立ったことを言っているのだろう。
「…大丈夫。リク兄のことだもん。なにかあるんだよね…。」
「……。」
リクはまた黙っている。
「いいんだよ、話したいときに話してくれれば。」
「……違うんだ…。」
横顔が少し悔しそうに見えた。
「さっき言ってたルビーの母親を殺したやつ…知り合いに似ててさ…。それで…少しその事について考えてたんだよ」
「……うん。」
「そいつさ、昔っから宝石大好きでさ、その魔力の持つ誕生石のこともすごく詳しく知ってて…。そいつも俺と同じ仲間で…よく話を聞かされてたんだ…。…でも………。」
あたしは息を飲んだ。
「でも………?」
次の言葉を話しにくいのか少し間をおいた。
リクが空を見上げる。
「数年前に……死んでるんだよ……。」
「…っ!?」
あたしは驚きと疑問でリクを凝視した。
「なんでそいつが生きてんのかわかんない。…でも何もしなければ何もわかんない…。」
「リク兄…。」
「だから俺は誕生石を探しながらそいつを探したい…。それでもいいか?」
こっちを見たリクの目にはしっかりとした決心の色が見えた。
