あたしはと言うと…、

歴史書を読み返していた。



ぺら…ぺら…



「…誕生日を狙うもの…?」



あたしは目を見開いた。


「誕生石は強大な力を持っているため、それを集め自我の力の蓄えにしようと企む者もいる。価値も高いため、コレクションにする者も…。集める場合は十分に注意するべきである」


…なに………これ…。



そしてその瞬間さっきのルビーの話を思い出した。



「殺された……ルビーの……石……?」



マナはハッとした。

…ルビーのお母さんはその石を守るために石をルビーに預けたんだ…!



「でも……どうして……?」



ぺら…ぺら…



あたしが続きを見ようとページをめくったその時、巨大な地響きと共に強い風が吹いた。




ゴオオオォォォ…!!!




「うっ…」


あまりの風にあたしは呻く。


しかしルビーは普通に寝ている。

この地響きと風は自分にしか感じられないようだ。



「なに…?これ……。」



そう呟いた瞬間、頭の中に直接流れ込んでくる声。



「助けて…。」


「…っ!だれ…!?」



懸命に声を聞き取ろうとするがよく聞こえない。男か女かもわからないそれは、泣いているみたいだ。



「助けて…。」


あたしは懸命に叫んだ。


「あなたのこと…助けてあげる…!」



しかし自分の声は届いていないようで泣きじゃくるなにか。



「あなたは誰?」



再び疑問をぶつけるが当然帰ってくるはずもない。



ビュオオオオォォォ!!!



そしてまた強い風が吹き、あたしはその場に倒れこんだ。


あたしの耳にはすすり泣く声が聞こえていた。