春休みも明け,お互い高校生になった。

将は共学,あたしは女子校
離ればなれでも,何も不安なんかなかった。

中学の時は荒れてたし
友達が何か解らなかったけど
将と付き合って,少し解った…


だから,高校入る前に切り替えた。


入学式に赤髮でいった
あたしは目つけられたけど
特に喧嘩はしなかった。

サバサバした子が多くて
気があって自然と仲良くなれたし
高校生活,楽しく過ごしていた。


いつもの時間帯,携帯が鳴る…

『今から来ねぇなら別れる』

何で?解らないけど
別れたくないから行くしかなかった。

将はあたしの高校と正反対だから
バスでも,2時間以上はかかる。

『ごめん!あたし先に帰るね』
引き止める友達に謝って,早退してた。


そのまま待ってる海に
将の弁当を買ってから行く。

お腹空かせてると思ってたから
あたしの昼御飯代で。

『ねぇ,何で学校行かないの?』
『楽しくねぇから』

学校を辞めるって言う
将をあたしは引き止めていた。

将の意見は
学校が楽しくないし

サボって暇だから
あたしを呼ぶ。

でも毎日同じ事の繰り返し。

そんな中で将の親に
将が学校サボってる事がバレた。

あたしは中学の担任から
将の親にある事ない事
吹き込まれてて,悪印象だった。

将に学校に行くように
ずっとあたしは説得してた。


けど,聞く耳なんて持ってなかった…


二人でサボってたって思われ
将は父親にボコボコにされ
あたしもボロクソ言われた。。

何でそこまでするのか
あたしには解らなかった。

それがきっかけで
将は携帯も解約された。

それからは将の気分次第で
友達の携帯から連絡くる位で
あたしは待つ事しか出来ず,寂しかった。

高校は楽しかったけど
一番仲良かった友達も辞めたし
2年に上がれないって言われたし

何よりお金が欲しくて
あたしは秋の初めに中退した。

お金が欲しい理由は,ただ1つ
将に携帯を持たせる為。

高校を辞めてから
あたしは仕事しだした。

そのお金で将の携帯を買った
勿論,支払いは全額あたし。

それでもあたしは幸せだった
将と繋がっていれる事が嬉しかった。

そんな中,突然
『将と別れたの?』って
中学の連れからメールがきた。

『別れてないけど,何』って
冷たくメールを返した。

その返事を見て,携帯を落とした…。


『あたしの友達と付き合ってるよ』


そんな事考えたくない
そんな事する訳がない

きっと何かの間違いだと言い聞かせた…。


将の家は鍵もかけない田舎

その日寂しくて,不安で
あたしはバイクで将の家に行った。

それに突然行ったら
ビックリして喜ぶかなって…。


そーっと,将の部屋に入った
将は携帯を握りしめたまま寝てた。

連絡が途中でなくなったのは
寝てたんだって,ホッとした。

携帯画面が薄暗く光ってて
ふと目に入った文章……


『○○ちゃん,大好きだよ』


何で…?嘘よね…?
自然と涙が溢れだした。

頭が真っ白になって
呑気に寝てる,将を起こした。

『なにこれ……?』
『はぁ?お前人の携帯勝手に見んなよ』

人の携帯って,あたしが払ってんのに……

『誰これ?浮気?何で?』

そう言って,泣きじゃくる
あたしに『嫌なら別れれば?』って……

それから高校三年間

文化祭にお弁当持っていったら
手ではらわれて,廊下弁当まみれになったり

嫌だって言っても
外や友達と同じ部屋でえっちされたり

高校三年間払い続けた携帯で
高校三年間ずっと浮気され続けた。

泣いてもうざがられるし
怒ったら別れようってなるし


ただあたしは泣く事しか出来なかった


それでも将が好きだったから
どんなに傷ついても離れられなかった……。