「胡桃沢…俺…」
視線の呪縛。瞬きすら許されない。
今更、早苗の言葉が胸で鳴る。
『男女の友情なんてない』
「好きだよ、胡桃沢のこと」
花火の音が、遠くなった気がした。
周りの音も、全て。
山口が、私を好き…?
だって、だって、だって!
思考がフリーズする。
そんな、顔しないでよ。
そんな目で、見つめないでよ。
何も言葉が浮かばない。
山口はこんな冗談、言わないって分かってる。
「…ありがと」
熱が、体温が、上がっていく。
山口は、優しく笑った。
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