エンデュの肩の上に座っていた妖精は、羽を広げて飛ぶと、エンデュの頬にキスをした。

すると、一度お辞儀をした。

「自分で帰るのかい?」

こくりと頷くと、妖精は素早く飛んで行った......。

それに続く様に、他の三人の妖精達も素早く飛んで行った......。

「っで? ......随分と早かったようだけれど、罰はどうだったの?」

「それがさぁ、すんげーラッキーな事があって......。ケルノがたまたま会った商人から人形草を買い取ってくれたお陰で、もう、罰が無くなったんだよ!」

「それは、良かったわね」

笑顔でジュノは言った。

「......商人?」

「うん。何か、大きな帽子のせいで顔はよく見えなかったみたいでさ。誰かはわからないんだ。歯がガタガタの色白だったとは言ってたけど......」

「そう言う物を売り飛ばして儲けている汚れた奴は、他国なら大勢いるが、歯がガタガタで色白......それはきっと、骸骨だ。......ヘルヘイム帝国の者に違いない」

「......ヘルヘイム? ひょっとして......」

「どうした? ジュノ」

カゲンは、彼女を見つめながら言った。

「......カゲン。あの夜、アムールにヘルヘイム帝国の神が来ていたのは、売り飛ばしに来ていたのよ。......そうに違いないわ」

「じゃあ、エレボスが......人形草を」