「そうカリカリするな」
冷静で落ち着いた雰囲気でそう話しかけてくる声が聞こえて来た。カゲンは振り向くとそこに居たのは闘技場の見物席に座る一人の男だった。
黒髪に整った顔立ち。そこから、真面目で
冷静な人だと見るからに感じ取れる。
彼は、火の神であるカゲンと対となる水を操る神である。
彼は、昔からカゲンを影で見守っている良
い奴だ。だが、カゲンは彼を知らない。
いや......思い出せなかった。
彼は笑みを浮かばせ、指でカモンの合図を
した。そしてカゲンは彼の横の席に座った。
「お前、誰なんだ?」
「カゲン、何を言っているんだ。私だよ、 パ
リアだ!」
彼は驚いた様子だった。
「頭でもぶつけたのか?」
「え、あー。いや。
俺......おかしいんです。まるで自分が自分で
ないかのような感じで......」
パリアは、黙って真剣な表情で聞いてくれ
た。
「力もどんどん弱くなってゆく......
こんなのは、俺じゃない......」
そう会話をしている間、子供達が闘技場の中にいるのが見えて二人は何気無く子供達の方を見詰めた。
少年達が数人と一人のひ弱な少年......。人間であれば7歳くらいの年だろう。ひ弱な彼の服はボロボロで身体も傷だらけだった。
「..................セト まだ勝負は終わってない」
ひ弱な彼がそう言うと少年達は、わっと笑い声を起こした。
「まだ くたばらないのかよ。
............まぁ、いい、やってやろう」
そう言ったセトは、思い切り拳で彼の頬を殴った。
「酷いな」
その光景を目の当たりにしたカゲンは呟いた。
「だが、手は出すなよ? あの子自身が望んだ勝負なのだから」
落ち着いた表情でパリアはそう言った。
少年達は笑い声を起こしていた。
彼の頬には生々しい傷が滲んでいる。それでもセトを睨みつけ、涙が入り混じった声で彼は言う。
「......虐めりゃいいよ、後で後悔するのは......お前なんだから」
「黙れ」
セトは先程と同じ頬の場所をまた拳で殴った。............彼の頬からは血が痛々しく垂れた。それでも彼の表情は変わらい。
「............いくらでも殴れよ」
その光景を目の当たりにしたカゲンにパリアは言った。
「まぁ、結局最後に勝つのは心の強さなんだよ」
気付くとカゲンは、何も言わずひ弱な少年に見入っていた。
冷静で落ち着いた雰囲気でそう話しかけてくる声が聞こえて来た。カゲンは振り向くとそこに居たのは闘技場の見物席に座る一人の男だった。
黒髪に整った顔立ち。そこから、真面目で
冷静な人だと見るからに感じ取れる。
彼は、火の神であるカゲンと対となる水を操る神である。
彼は、昔からカゲンを影で見守っている良
い奴だ。だが、カゲンは彼を知らない。
いや......思い出せなかった。
彼は笑みを浮かばせ、指でカモンの合図を
した。そしてカゲンは彼の横の席に座った。
「お前、誰なんだ?」
「カゲン、何を言っているんだ。私だよ、 パ
リアだ!」
彼は驚いた様子だった。
「頭でもぶつけたのか?」
「え、あー。いや。
俺......おかしいんです。まるで自分が自分で
ないかのような感じで......」
パリアは、黙って真剣な表情で聞いてくれ
た。
「力もどんどん弱くなってゆく......
こんなのは、俺じゃない......」
そう会話をしている間、子供達が闘技場の中にいるのが見えて二人は何気無く子供達の方を見詰めた。
少年達が数人と一人のひ弱な少年......。人間であれば7歳くらいの年だろう。ひ弱な彼の服はボロボロで身体も傷だらけだった。
「..................セト まだ勝負は終わってない」
ひ弱な彼がそう言うと少年達は、わっと笑い声を起こした。
「まだ くたばらないのかよ。
............まぁ、いい、やってやろう」
そう言ったセトは、思い切り拳で彼の頬を殴った。
「酷いな」
その光景を目の当たりにしたカゲンは呟いた。
「だが、手は出すなよ? あの子自身が望んだ勝負なのだから」
落ち着いた表情でパリアはそう言った。
少年達は笑い声を起こしていた。
彼の頬には生々しい傷が滲んでいる。それでもセトを睨みつけ、涙が入り混じった声で彼は言う。
「......虐めりゃいいよ、後で後悔するのは......お前なんだから」
「黙れ」
セトは先程と同じ頬の場所をまた拳で殴った。............彼の頬からは血が痛々しく垂れた。それでも彼の表情は変わらい。
「............いくらでも殴れよ」
その光景を目の当たりにしたカゲンにパリアは言った。
「まぁ、結局最後に勝つのは心の強さなんだよ」
気付くとカゲンは、何も言わずひ弱な少年に見入っていた。


