「本当にここ通るの?」
隼人は、目の前にある奇妙なプリュイへ続くトンネルを気味悪がっていた。
この日、部活は休みで学校帰りカゲンと会うとそのまま二人は神の世界へ続く通路へと来た。
何故なら、約束をしていたからである。それは、規則に反する事でありながらも、一度は美しい神の世界をどうしても隼人に見せてあげたかった。
その後はきっと、ヴィーナス女王からの説教が始まる事だろうとも思いながら、まぁ、見つからない様に用心すれば何とかなるだろうとも思うのであった。
「行こう、隼人」
そう言ってカゲンは、灰色の斑がかかった奇妙なトンネルを進んで行く。
隼人は、ぼちぼちと後に続いた。
しばらくすると、隼人に聞き覚えのある音が聞こえて来た。
ザーザーザー......。
「雨の音だ。............プリュイって、そういう意味?」
そうして、二人はトンネルを抜け出した。