二人は店を出ると夜道の中、自宅へ向かいながら話していた。

「............あの事は、ヴィーナス女王に話しておいた方がいいだろう」

「あの事って?」

早速カゲンの天然ボケが始まったが、エン
デュは優しく説明した。

「ったく、お前は......。エレボ
スだ。...... ヘルヘイム帝国の者がアムール国に来るなんてどう考えても不自然だと思わないか? あれは、ジュノにも知らせておいた方がいい」

「お、俺が? ヘリオスに言えば良かっただろう」

すると、エンデュはカゲンの方に顔を向けると無言でただ、見詰めた。

「わ......分かったよ」

「........頼んだぞ」

そう言って、カゲンの背中を一度叩くと彼は一人自宅へ向かって行った。

「なんで、俺が......」

文句をたらしていると突然、不死鳥のフェニックスが姿を現し、動物の神のアルの小さな家の屋根の上に止まった。

姿は炎に身を包んでおり、火の鳥とも言えるであろう......。

フェニックスは、じっとこちらを見詰めてくる。

「何見てんだ」

すると、フェニックスはカゲンの目の前に降りて来ると、ついて来いとでも言うかの様に何処かへ飛んでいく......。

カゲンはこうしては入られず、フェニックスを追った。