..................彼は目を覚ました。

妙な夢を繰り返し見ているせいだろう......寝相が悪く、枕から頭が落ちていた。寝癖のついた赤い髪をいじりながら身体を起こすと、彼はハンガーに掛けてあるレザー生地の服を手に取ろうとした。すると突然 頭がくらくらした。寝起きはいつもその様なものである。

しかし、何故あの夢ばかり繰り返し見るのだろうか......?

彼は、レザーズボンとレザーベストを身につけると、部屋に寂しくぽつりと置かれてあるダンベルに目をやるなり ため息をついた。

「そんな顔するなよ、俺だって好きでこうなったわけじゃない。お前なら分かるだろう?」

とは言っても、何もせずにはいられない。
今の俺は、戦いの神としての恥だから。
とにかく、あそこへ行けばパワーは出るだろう......。




日に日に、力は弱まってゆく......。

何かがおかしい。

俺の身に何が起きているというのか?