二人は共に歩いていた。

「なんで、分かったんですか?」

「............何が?」

「だ、だから、どうして、私の居場所を............」

「直感だ」

冷たい口調でストレートに彼は答えた。

「............今やってしまった方が手っ取り早い。..................君は構わないな?」

「何のことでしょうか?」

「そうやって、惚けて逃げようとするな」

「え? 私、逃げようとなんか......」

すると、エンデュは理子の腕を掴んだ。
理子はエンデュの方を振り向く。

エンデュは握り締めた手を差し出すと、ゆっくりと広げた。手の平には一欠片になったストーンが乗せられている。

「............飲み込め」

「で、でも。こんなの飲み込んで支障ないですか?」

「これ以上、手間をかかせるつもりか?」

エンデュは、あきれ顔をした。

すると、理子はゆっくりと彼の手の平に乗せられたストーンに手を伸ばして取った。

「......それでいい。飲み込め」

思い切って彼女は口を開き、透明で青みがあるストーンを飲み込んだ。体全体に熱さを感じた。

「......熱が出たみたいです。病気になったかも」

「アホか。それは心にストーンが宿った証だ。......病気になった訳じゃない」

「すみません......」

自宅の前へたどり着くと、理子はエンデュに振り向いて言った。

「それじゃあ」

「......あぁ」