理子の家は普通の一軒家だった。

「エンデュ......ってもしかしてギリシ
ア神話に出てくるエンデュミオンだったり
する?」

「さぁな」

ここ最近の彼らしい、冷たい口調だっ
た。

「もしそうなら......」

そう言うと、彼女は本を取り出してきた。

「この本の通りに、月の女神 セレネに愛さ
れていて、不老不死になったってお話は本
当なの?」

「..................セレネ」

聞いたことがある様な......無いような名前だ。


だが、突然あやふやに記憶が甦って来た..................。