彼女は、翔の体からストーンを抜き取ると、彼に言った。

「これまでも、これからも、ずっと......友達よ」

そうして......病院を出ようと踵を返そうとした時だった。

背後から......何者かが彼女の体をがっちりと掴み、ジュノは身動きが取れなくなった。

「離して」

ジュノは、そう抵抗するも、何者かは麻酔薬の入った注射器を素早く取り出すと、彼女の二の腕に打った。

「......何をっ」

必死に何とか逃れようと、その何者かの足を踏みつけたりしていた足は、段々と力弱くなってゆく......。


やがて、視界はボヤけていき、意識は遠のいていった......。


ただ、一つ、聞こえたのは。

「............ジュ......ジュノ」

翔が、決死の思いで力を振り絞り、枯れた小さな声を必死に出したその声だった。