学校の帰り道、いつも通り二人は歩く。

その頃、アスファルトに埋まった小さな木の上でフェニックスは止まっていた。そして、風に涼んでいる。

ふと、その木の方向を何気なく見つめていたエンデュは、フェニックスの姿がある事に気付き、驚く。

「お、おい。降りろ......なんで、居るんだ」

そして、直ぐに冷静さを取り戻したエンデュは、小さな声で、フェニックスにそう話しかけた。

「どうかしたの? エンデュ............って..................な、な、何??」

初めて目にした火の鳥に驚くあまり、理子はパニックになる。

「落ち着いてくれ。別に悪い奴じゃない。ただ......何故、この世界へ来てしまったのか」

そう言いながら、エンデュは頭を抱えた。

すると、近辺で車を走らせている数人の人々にフェニックスの姿を見られてしまった事に彼は気づいた。

皆、驚いて興奮をし、中には写真を撮る者もいる。

「......やばい」

エンデュは、冷汗をかく。

「これって、まずい事なの?」

「まずい事大ありだ。理子......悪いが、俺はフェニックスを連れて戻るよ」

即答で彼はそう言うと、フェニックスに目を向ける。

すると、フェニックスの姿は見る見るうちに消える。

いや、本当は消えたように見せているだけだった。

「わ、分かった」

理子も、只事ではないと理解をしてそう言った。

そうして、エンデュは急いで走り去って行った。


理子は、突如姿を消したフェニックスにまたも驚く人々を呆然と見詰めた。