「ありがとう!!」 凛子ちゃんから、教科書を受け取った。 それからは淡々と授業は進み、「意味が伝達してこない」と堂堂巡りに思っていた。 はあ、もう無理ー。 諦めかけた瞬間、「奈々!」と菅原先生が私を呼んだ。 え、何? 「さっきから、なにをボケーッとしてるんだ。」 「あの、えと。」 「俺の授業でボーッとするとは、いい度胸だな。始めからだと言って容赦はしないぞ?」 ゾクリと、まるで聞こえたように私の体は震えた。