初めてだからという免罪符は鈴木くんには通用しなかった。
ベッドに降ろされるとマットレスがボスンと不機嫌な音を立てた。
身を守っていたコートはあっという間に脱がされる。
ブラウスのボタンをテンポよく外していくのに必死になって抵抗していると、鈴木くんは不機嫌そうな声色になった。
「今まで、散々待ったんだけど」
「……ごめんなさい」
「そろそろ観念して、俺の物になってください」
煽るような愛の囁きに身体が甘く蕩けそうだった。
こんなに愛されていたのに、なんで今まで平気でいられたのだろう。
もっと深く、鈴木くんのことを知りたくなる。
……彼はどうやって私を愛してくれるのだろう。
私はようやく抵抗をやめて、その身を鈴木くんに委ねた。
ベッドに押し倒されるとまもなく何も考えられなくなった。